イヤホン専門ブランドSOUNDPEATSからカナル型完全ワイヤレスイヤホンのハイエンド機「SOUNDPEATS Air4 Pro」が発売されました。
本機は、Qualcomm の最先端チップ「QCC3071」を採用し、次世代プラットフォーム「Snapdragon Sound」に対応。Adaptive ANC・装着検出・CVCノイキャンも搭載した実用機能全部入りのワイヤレスイヤホンです。
今回はメーカー様から「SOUNDPEATS Air4 Pro」をご提供いただいたので、率直な感想をレビューしていきます。
SOUNDPEATS Air4 Proの概要
SOUNDPEATS Air4 Proは、同社のAir4シリーズで唯一のカナル型の完全ワイヤレスイヤホンです。
「Pro」と銘うつだけあり、他のAir4シリーズとは一線を引くスペックに仕上がっています。その上で、価格が通常8,480円と超高コスパ。この価格帯で全部入り完全ワイヤレスイヤホンが手に入るのは、SOUNDPEATSならではのポイントです。
SOUNDPEATS Air4 Proの注目スペック
- カナル型の形状のため耳にぴったりフィット。遮音性が高く音楽に没頭しやすい。
- QualcommのBluetoothチップ「QCC3071」を採用。
最新のaptX LossLessにも対応し、CDと同等クラスの音質を実現。 - 注目!! 独自開発素材を採用した13mmダイナミックドライバーを搭載し自然な音質を実現。
- マルチポイント機能により2台の端末への同時接続が可能。
- アダプティブANC機能で周囲の環境音を軽減。
- 注目!! aptX Voiceに対応し通話品質も向上。
- 注目!! 装着検出機能でイヤホンを外すだけで自動停止、自動再生が可能。
- 注目!! CVCノイズキャンセリング機能で、相手に自分の声をクリアに伝えることが可能。
- 注目!! 風切り音低減機能により風の強い日でも通話品質を維持。
SOUNDPEATS Air4シリーズは以下の3種類で、Air4 Proは最上位のモデルとなっています。下の表で色が違う部分を見れば一目瞭然ですが、Air4 Proは他モデルと比べて盛りだくさんの機能を持っています。
SOUNDPEATS Air4シリーズの比較表
商品名 | Air4 Pro | Air4 | Air4 Lite |
---|---|---|---|
形状 | カナル型 | インナーイヤー型 | インナーイヤー型 |
対応コーデック | aptX Voice aptX Adaptive aptX Lossless aptX Classic | SBC,AAC,aptXSBC,AAC,aptX aptX Adaptive aptX Lossless | LDAC,SBC,AAC |
再生周波数帯域 | 20Hz-20KHz | 20Hz-20KHz | 40KHz | 20Hz-
Bluetoothチップ | QCC3071 | QCC3071 | WQ7033AX |
最大持続時間 | 6.5時間/26時間 | 6.5時間/26時間 | 7時間/30時間 |
Adaptive ANC | 対応 | 対応 | 非対応 |
装着検出機能 | 対応 | 非対応 | 非対応 |
風切り音低減 | 対応 | 非対応 | 非対応 |
外部音取り込み | 対応 | 非対応 | 非対応 |
ゲームモード | 88ms 低遅延 | 88ms 低遅延 | 80ms 低遅延 |
通常価格 | 8,480円 | 8,980円 | 7,380円 |
SOUNDPEATS Air4 Proのレビュー
外観
少しラメの入ったブラックの外観でブロンズのロゴがアクセントになっています。ツヤ感はありますが、指紋は思ったより目立ちませんでした。イヤホン本体は、マットな質感で大人感あふれる見た目となっています。形状はいわゆる”うどん”型ですが、短めなので見栄えは悪くありません。また、”うどん部分”が邪魔になることも無いため装着感は良好でした。
ケースにはバッテリー状態を示すLEDが搭載されており、点灯の色や仕方で状態を教えてくれます。ワイヤレスイヤホンの充電は忘れがちになりますが、開くたびに点灯してくれるので状態を即座に把握できます。一方で、黄色点灯の最小残量が10%と割とギリギリ。20%くらい残で赤にしてもらった方が助かるかなと感じました。
補足 充電ケース:LEDインジケーターの表示
100%-50% | 緑色で点灯 |
49%-10% | 黄色で点灯 |
10%未満 | 赤色で点灯 |
20%未満 | 赤色でゆっくり点滅 |
20%-69% | 黄色でゆっくり点滅 |
70%-99%未満 | 緑色でゆっくり点滅 |
100% | 緑色で長く点灯 |
装着感
カナル型を採用しているため、耳の中にすっぽりとハマるような装着感があります。密着するとまではいきませんが、しっかりと耳に収まっている感覚を覚えました。個人的には、インナーイヤー型よりも、Air4 Proのようなカナル型の方が好みなので、どストライクのつけ心地です。スティック部分が短めなので、圧迫感がなく長時間でも使用しやすいと思います。
インナーイヤー型のAir4と装着感を比較すると、段違いでAir4 Proの方が安定感があります。イヤーピースが付属していないAir4は、どうしても位置がズレやすい傾向にあります。一方で、Air4 Proはカナル型のため耳にしっかりフィット。イヤホンのズレを気にする人は、Air4 Proを選んだほうが断然快適な使用感を得られるはずです。
補足 女性でも使えるサイズ感
電車通勤をする妻に、会社の行き帰りで試用してもらいましたが、動いても落ちることなく快適に使えたそうです。妻はこれまでSOUNDPEATS Air4を使っていたのですが、カナル型であるAir4 Proの方が好みだったらしく、今後はMyイヤホンにして毎日使うとのことです。3種類のイヤーピースが付属しているので自分の耳にあったサイズを選択できますよ。
音質
何より最初に感じたのが、カナル型イヤホンによる遮音性と没入感の高さ。やっぱりイヤホンはカナル型が良いですね。音質面では、臨場感があり、ズッシリとした芯のある低音も存在感があります。低音から高音までかなりバランス良く鳴るため「整った音」で聞きやすい印象がありました。8,000円代のイヤホンと考えれば必要十分の聞き心地だと思います。
インナーイヤー型のAir4は、イヤホンの密着感が少なく軽い感触で使用できるのが特徴的です。その代わり、外部音の遮断が苦手なため、音楽への没入感はイマイチ。一方で、Air4 Proの外部音の遮断力はAir4よりも格上。体感としては30%くらいの外部音がAir4よりも遮断される感覚を覚えました。音楽を聞きながら机をトントンと叩いても、その音が全くわからない程に静かになりますよ。
補足 SOUNDPEATS Air4 Proの高音質を実現する要素
- Snapdragon Sound 対応
- aptX Lossless 対応
- 13mm大口径ダイナミックドライバー搭載
Snapdragon Soundに対応しているので「aptX Adaptive」では96kHz/24bitのハイレゾ相当、「aptX Lossless」ではCD品質の44.1kHz/16bitロスレス再生が可能となっています。また、3つの異なる特性の材料を使用した独自開発の13mmバイオセルロース複合振動板を搭載。材料の特性を最大限に生かし、クリアな中音域とダイナミクス、そしてより自然なサウンドを実現しています。
通話品質
僕が音声通話品質にこだわりが無いからかもしれませんが、特段、音質がいい!という印象はもちませんでした。とは言え、Air4 Proには、通話品質を高める複数の強みがあります。知らず知らずの間に、その恩恵を受けているかもしれませんね。
補足 SOUNDPEATS Air4 Proが通話に強い理由
- 合計9基のマイク
- cVc通話ノイキャン
- マルチポイント機能
- apt Voice
片側3基、左右計6基のマイクを搭載し、うち2基は音声通話専用マイクとして確保。また、cVc通話ノイズキャンセリング技術により音声通話時に発信者の声をクリアにすることが可能です。さらに、クアルコムのapt Voiceに対応しているため「s」や「f」などの類似の音を持つ単語の聴き取りやすいのが魅力です。利便性の面では、マルチポイント機能に対応することで、スマホとPC同時に2台接続することが可能。PCに接続して音楽を楽しんでいる最中でも、スマホに電話がかかってくれば、自動で音楽再生が止まりイヤホンを使って通話することができます。
便利機能
ノイズキャンセリング機能(ANC機能)
合格点の使い心地です。Air4 Proはカナル型を採用しているため、インナーイヤー型のAir 4よりもノイズキャンセリング機能の効きが良く感じました。音楽への没入感や作業BGMの聞き心地は良好です。また、外部音の取り込み機能も搭載しておりその実用性はバッチリ。音楽を流しながらでも会話ができる程度に機能します。音楽を再生しながらカフェ店員との会話も問題ありませんでしたよ。
Air4 Proには、3つのモードが搭載されています。それぞれ混雑しているスタバ(カフェ)で試してみると、その違いを明瞭に感じることができました。外部音取り込みは、周囲の音をイヤホンから出力するためか音楽がBGMのような感覚に。そこからANCモードに切り替えると、スンッと雑音がなくなり音楽が主役に変化します。ノーマルは、その中立という感じでした。モードの役割がハッキリしているので、目的に応じて使い分けやすいと思います。
補足 ノーマルモードが鬱陶しい
SOUNDPEATS Air4 Proのモード変更は「ループ式」を採用しています。そのため、①ヒアスルー(外部音取込み)、②ノーマル、③ANC(ノイズキャンセル)の3つのモードを変更する場合、ノーマルモードを毎回経由することになります。ノイズキャンセリング機能目的で本機を購入する人にとって、ノーマルモードは不要ですよね。ノーマルモードをOFFにする機能があってもいいんじゃない?と感じたのでデメリットとして紹介しておきます。
自動装着検出機能
装着状態を自動で検出してくれる機能は、この上ない利便性を与えてくれます。精度は抜群に良く実用性もバッチリ。イヤホンを取り外せば、音楽でもYoutubeでも自動停止するので、いちいちスマホを操作する必要がありません。個人的に、便利機能の中ではNo.1の快適さを感じています。
風切り音低減機能
結論から…過度な期待は禁物です。多少マシになっているのかもしれませんが、風切音が消失することはありませんでした。これ目的で購入するとガッカリすると思うので、他で気に入るポイントを探しましょう。
SOUNDPEATS Air4 Pro|レビューまとめ
まとめ
- 外観
-
ブラックとブロンズの組み合わせで大人感あふれるデザイン。ケースは光沢のあるタイプで、指紋は目立ちにくい。
- 装着感
-
カナル型で、安定感ばっちり。耳にスッポリとハマる感覚あり。
- 音質
-
音楽の聞き心地に一切の不満なし。ノイキャンと外部音取り込みは、しっかりと機能するので実用性あり。
- 通話品質
-
特筆すべき良さは感じなかった。可もなく不可もなく普通に使えるって感じ。ただし、通話品質を向上させる最新技術を搭載しているため、気づかない間に恩恵を受けているのかも。
- 便利機能
-
自動装着検出はしっかりと機能するので、音楽再生だけでなくYoutube視聴にも最適。風切り音低減に過度な期待は禁物。
ひとことで本機をまとめると「8,000円代で買えるイヤホンとしては至高の一品」って感じです。ワイヤレスイヤホンで便利な機能をてんこ盛りにしたスペックでこの価格は嬉しいですね。Air4 Proと無印Air4の価格差・性能を比較すると、Air4 Pro一択だと思うので、迷ったら本機を選べば問題ないと思いますよ。