ASUSからゲーミングWi-Fiルーターの新機種となる「TUF Gaming AX6000」が発売されました。
本機は2023年3月に発売されたTUF-AX4200の上位モデルに相当し、4×4ストリーム・合計6,000Mbpsの高速Wi-Fi・2.5GbE端子を2基搭載など、総合的に性能の高いゲーミングWi-Fiルーターです。
また、高負荷による発熱を避けられないゲーミングWi-Fiルーターだからこその構造を採用し耐久性もバッチリ。
この記事では、そんなTUF Gaming AX6000の魅力や通信速度の計測結果を紹介しているので、是非最後まで読んでいってください。
TUF Gaming AX6000のポイント
強み
- 超高速Wi-Fi通信(4804Mbps+1148Mbps)
- ゲームに特化した機能が盛りだくさん
- 2.5GbEを2ポート搭載
- IPv6プラスに対応
- 耐久性に配慮した構造
弱み
- 設置にはそれなりのスペースが必要
- 壁がけや縦置きで設置できない
- Amazonでしか購入できない
本記事はメーカー様から商品を提供いただき作成しています。
TUF Gaming AX6000 の外観デザイン
TUF Gaming AX6000は、SF映画の戦闘機を彷彿とさせる独特なデザインが特徴的です。
サイズは、そこそこ大きめの「301 x 216 x 174 mm」です。
縦置きや壁がけは不可なので、写真のような横置きに使うことが求められます。
電源を入れると、ゲーミングWi-Fiルーターらしくロゴが光ります。
このロゴ部分のカラーは、なんとアプリから変更できます。
性能に全く関係ない機能ですが、ワクワクさせてくれるポイントですね。
背面のレイアウトはこんな感じです。
ハイエンドモデルを象徴するような2.5GbEの2ポート搭載は本当に魅力的です。
背面に搭載されているポート類
- 2.5Gbps/1Gbps WANポート ×1
- 2.5Gbps/1Gbps LANポート ×1
- 1Gbps LANポート ×1 ※Gaming Port
- 1Gbps LANポート ×3
- USB 3.2 Gen1 ×1
- WPSボタン
- リセットボタン
- 電源スイッチ+電源ポート
また、耐久性が強みであるルーターだけあって、ポートのプロテクターは金属製となっています。
アンテナは抜き差しできない固定式となっているため、使っているうちに緩んでいたというトラブルがなくて安心です。(角度は自由に調整可能)
状態を示すインジケーターは、本体の正面部分に配置されています。
ASUS TUF Gaming AX6000の魅力
TUF Gaming AX6000の性能は非常に高く、ゲーミングWi-Fiルーターの中でも上位グループに属します。
TUF Gaming AX6000の性能
項目 | 性能 |
---|---|
バンド | デュアルバンド |
Wi-Fi速度 | 【5GHz】4804Mbps+【2.4GHz】1148Mbps |
ストリーム数 | 4×4ストリーム |
IPv6 IPoE | 対応(V6プラス) |
高速ポート対応 | 2.5GbEを2ポート搭載(WAN/LANそれぞれ1ポート) |
CPU | 2.0 GHz quad-core processor |
メモリ | 256 MB Flash 512 MB RAM |
デュアルバンドのWi-Fiルーターではトップクラスの性能ですよ!
しかし、”ゲーミング”と銘打たれているだけあって、TUF Gaming AX6000の魅力はそれだけではありません。
本記事では、TUF Gaming AX6000のゲームに役立つ機能をピックアップして、その魅力を紹介していきます。
ゲームに役立つ注目機能!
- ゲーミングWi-Fiルーターの真骨頂!プレイに役立つ4つの機能
- プレステユーザーの悩みを解決するOpen NAT
- モバイルゲームモードで遅延を軽減
- Adaptive QoSでゲームの通信を優先させる
- ゲーム専用のLANポートで常に最優先を実現
- 2.5GbEポートを搭載!しかも「2ポート」
- 長時間のプレイでも安定!放熱を強化する2枚のヒートシンクを搭載
- IPv6 IPoEに対応!時間帯による速度遅延を回避
それぞれ詳しく見ていきましょう。
ゲーミングWi-Fiルーターの真骨頂!プレイに役立つ4つの機能
TUF Gaming AX6000には、ゲームの通信を快適にする数々の機能が備わっています。
TUF Gaming AX6000のゲーム特化機能
- プレステユーザーの悩みを解決するOpen NAT
- Adaptive QoSでゲームの通信を優先させる
- モバイルゲームモードで遅延を軽減
- ゲーム専用のLANポートで常に最優先を実現
1:プレステユーザーの悩みを解決するOpen NAT
TUF Gaming AX6000には「Open NAT」と言う機能が搭載されています。
この機能により、多くのプレステユーザーを悩ます「NAT失敗」を簡単に解決することができます。
NAT失敗によって困ること
NATに問題があると、チームチャットに参加できなかったり、グループの部屋に参加できなかったりとオンラインマルチプレイに支障がでます。
本来であればNATに問題があった場合、ポート開放という作業を行う必要があります。
しかし、TUF Gaming AX6000であれば、管理画面からゲームを選択するだけで完了するので、面倒な作業が必要ありません。
具体的な操作画面は以下の記事で紹介しているので、詳しく知りたい人はチェックしてみてください。
ASUSのTUF Gaming AX4200を使って「Open NAT」の設定方法を紹介!
2:Adaptive QoSでゲームの通信を優先させる
Adaptive QoSは、全ての通信の中から、優先する通信の「種類」を設定できる機能です。
ゲーム特化ならゲームの通信を最優先にすると通信が安定します!
最近のWi-Fiルーターでは標準的な機能になっていますが、TUF Gaming AX6000におけるAdaptive QoSは設定の簡単さに強みがあります。
設定は「好みのモード」を選んだり、ドラッグ&ドロップの操作で「自由に優先度を決める」ことができます。
手軽に切り替えることが出来るので、オンライン会議がある日・ゲームをやる日などで使い分けるのも良いと思います。
3:モバイルゲームモードで遅延を軽減
TUF Gaming AX6000には、モバイルゲームモードというスマホのゲーム通信を優先させる機能が搭載されています。
「ASUS ROUTERアプリ」から「設定<ゲーミング<モバイルゲームモード」で簡単にアクセス可能。
これを使うことで、Ping値※を抑えることができ、遅延(ラグ)を少なくゲームを楽しむことが出来ます。
スマートフォンアプリ「ASUS Router」から必要なときに有効化できるので、ゲームをする前にサクッと設定できるのも魅力です。
尚、スマホゲームのヘビーユーザーであれば、常時ONにしていても問題ありません。
Ping値とは
インターネットの応答速度を表す数値です。インターネット通信で、サーバーとのやり取りにかかるタイムラグを表しています。
4:ゲーム専用のLANポートで常に最優先を実現
TUF Gaming AX6000には、通信の種類によって優先順位を決める「Adaptive QoS」に加え、LANポートの挿し口によってゲームの通信を優先させる機能があります。
その名も「Gaming port」。
通信の優先順位をAdaptive QoSによって設定したとしても、時にはOSのアップデートなど予期せぬ通信で負荷がかかることがあります。そんなとき、ゲーム機をゲーミングLANポートに繋いでおけば、さらに安定した通信を実現できるのがこのポートの役割です。
2重の構えがあれば安心感がちがいますね。
PS4/5やNintendo Switchは「Gaming port」でOK!
プレステ4とプレステ5のLANポートは「1Gbps対応」のため、TUF Gaming AX6000の2.5GbEを使う必要がありません。また、Nintendo Switchの純正LANアダプターも「480Mbps対応」となっているので、TUF Gaming AX6000のGaming port(1Gbps)を活用すればOKです。
以上が、TUF Gaming AX6000のゲーミングWi-Fiルーターならではの魅力でした。
引き続き、以下の3つも詳しく見ていきましょう。
2.5GbEポートを搭載!しかも「2ポート」
既にお伝えしたとおり、TUF Gaming AX6000のWi-Fi通信性能はデュアルバンドWi-Fiルーターでは最高クラスのスペックを誇っています。
しかし、Wi-Fi性能を生かすも殺すも有線ポートが重要なのを知っていますか?
TUF Gaming AX6000は、2.5GbEのWANポートを搭載しているので、最近普及してきている2ギガ以上の光回線を活かすことができます。
さらに、TUF Gaming AX6000は、LANポートにも2.5GbEを1つ搭載しています。
WANに搭載されている製品はよくあるけど、LANにも搭載しているって凄いですね!
用途としては、2.5GbE LANをゲーミングPCやNAS、Wi-Fi中継器、ハブと繋ぐ形がメインになるでしょう。
2.5GbEが2ポートあることで、ゲームに限らず他の活用法を考えられます。
これは、TUF Gaming AX6000の他の機種にはない大きな強みですね。
WANアグリゲーションも対応
ちなみに、この2.5GbEの2つのポートは、なんと「WANアグリゲーション」に対応しているとのこと。モデム側がWANアグリゲーションに対応していれば「2.5+2.5=5GbE」のWANポートとして使うことが出来ます。
ただ、WANアグリゲーションに対応しているモデムってレアな存在…?だと思うので、このスタイルで使う人はかなり限られるかなと思います。
長時間のプレイでも安定!放熱を強化する2枚のヒートシンクを搭載
Wi-Fiルーターには、一般的なパソコンと同様にCPUやメモリが搭載されており、負荷が増えるほど発熱や不具合を起こすことがあります。
そのため、長時間のプレイで酷使されるゲーミングWi-Fiルーターにとって、熱への耐久性は重要な項目となります。
TUF Gaming AX6000は、そういった高負荷な環境を想定したハードウェア構造になっているため、一般的なWi-Fiルーターよりも耐久性に強みがある製品です。
さらに、TUF Gaming AX6000には、下位モデルであるTUF Gaming AX4200よりも1枚多い2枚のヒートシンクが搭載されているため、他のゲーミングWi-Fiルーターよりも放熱性能が高いと考えられます。
TUF Gaming AX6000(2枚のヒートシンク)
TUF Gaming AX4200(1枚のヒートシンク)
IPv6 IPoEに対応!時間帯による速度遅延を回避
TUF Gaming AX6000は、IPv6 IPoEに対応しています。
IPv6とは
(主にNTT回線において)回線が混雑しやすい時間帯でも、その影響が少なくなり、常に安定した通信速度を保てるようになります。例えれば、高速道路の有人料金所レーン(IPv4)とETCレーン(IPv6 IPoE)のようなイメージです。
ただし、IPv6 IPoEには色々と種類があり、TUF Gaming AX6000が対応しているのは「IPv6プラス」というサービスのみです。
楽天ひかりやソフトバンク系列では利用できないので注意してください!
IPv6 プラス対応プロバイダを調べる
最近ではIPv6に対応したWi-Fiルーターが多く発売されていますが、ゲーミングWi-Fiルーターでは未対応の製品がまだ見られます。
しかし、プレステ5がIPv6に対応したことでその需要はこれからもっと広がるはず。
プレステ5やXBox、PCゲーマーは、TUF Gaming AX6000のようなIPv6に対応したゲーミングWi-Fiルーターを強くおすすめします。
TUF Gaming AX6000 Wi-Fi通信速度の検証
では、TUF Gaming AX6000の通信速度を検証してみたいと思います。
検証した環境は以下のとおりです。
- 光回線
-
eo光 10ギガ
- 比較ルーター
-
eo光多機能ルーター
最大通信速度(5GHz)2401.9Mbps(2.4GHz)1147.1Mbps - 計測した周波数帯
-
5GHz
- 計測に使用した端末
-
Galaxy S22
まずは、基準となる数値を出すためにeo光多機能ルーターで1階と2階の通信速度を計測しました。
結果はこちら。
eo光多機能ルーターで通信速度(5GHz)を計測
次にTUF Gaming AX6000で計測してみます。
結果はこちら。
TUF Gaming AX6000で通信速度(5GHz)を計測
さらに、Wi-FiミレルというアプリでWi-Fiの電波強度も計測しました。
基準となるeo光多機能ルーターの結果はこちら。
数値の目安は「50」前後であれば申し分なく「30台以下」は不安定な感じです。
eo光多機能ルーターで電波強度(5GHz)を計測
そして、TUF Gaming AX6000で計測した結果がこちら。
TUF Gaming AX6000で電波強度(5GHz)を計測
通信速度の計測まとめ
TUF Gaming AX6000 | eo光多機能ルーター | |
---|---|---|
通信速度(1階) | 1100Mbps | 670Mbps |
通信速度(2階) | 370Mbps | 330Mbps |
電波強度(1階) | 46 | 46 |
電波強度(2階) | 33 | 36 |
今回検証に使用したTUF Gaming AX6000とeo光多機能ルーターの(速度系の)性能差は以下のとおりです。
TUF Gaming AX6000 | eo光多機能ルーター | |
---|---|---|
Wi-Fi速度(5GHz) | 4804Mbps | 2401.9Mbps |
WAN | 2.5GbE | 10GbE |
この差がどうでるか気になる検証でしたが、規格上のWi-Fi速度が結果に大きく影響することがわかりました。
(ちなみに、以前検証したTUF Gaming AX4200でも同様の結果でした)
これまで、我が家のeo光多機能ルーター(RT150)でWi-Fi速度が1Gbpsを超えたことはありません。
それが、TUF Gaming AX6000では何度も1Gbpsを超える速度を計測できたので、明らかにTUF Gaming AX6000に変えてWi-Fi環境が良くなったと言えるでしょう。
一方で、電波強度に関しては木造2階建ての我が家でも、TUF Gaming AX6000だけでは不安定だったというのが正直な感想です。
TUF Gaming AX6000を使うなら、AiMeshを使ってメッシュWi-Fi環境を構築したほうが良いと感じました。
TUF Gaming AX6000|レビューまとめ
以上、ASUSのTUFシリーズ「TUF Gaming AX6000」のレビューでした。
TUF Gaming AX4200の上位機種である本機は、TUF Gaming AX4200のゲーミング機能をそのままに、通信性能と耐久性が向上したモデルとなっています。
特に、2.5GbEを2ポート搭載している点は、ゲームにはもちろんゲーム以外にも活用の幅が広がる大きな魅力です。
また、実際に検証した通信速度も申し分ない結果だったので安心して使えそうです。
長時間プレイするゲーム用Wi-Fiルーターだからこそ、良いものを選びたい。
そんな人にぴったりの製品なので、環境を言い訳にしたくないプレイヤーはTUF Gaming AX6000を選んでみてはどうでしょうか。
本機はAmazon専売の製品なので、購入は下記リンクからAmazonへ飛んで下さい。