目次
Wi-Fi6とは?

最新「第6世代」の超高速Wi-Fi!
スマホやパソコンの性能が年々アップしていく中で、インターネットと接続するためのWi-Fiも進化しています。
その第6代目の進化を遂げた最新のWi-Fi規格が「Wi-Fi6(ワイファイシックス)」というわけです。
ちなみに、「Wi-Fi6」とは通称のことで、正式名称が別にあります。
Wi-Fi6の正式名称
- IEEE 802.11 ax
(アイ トリプルイー ハチマルニ イレブン エーエックス)
「いや…これ数字とアルファベットが多すぎて分かりづらいよ!」ということで、2018年に新たな名称「Wi-Fi◯」という名前が制定されました。
つまり、Wi-Fiルータの説明文やパッケージに「Wi-Fi6対応」「IEEE 802.11 ax対応」と書いてあれば、どちらも同じ意味なので気にする必要はありません。
Wi-Fi6混同しやすい用語として「5G」という言葉があります。Wi-Fi6は自宅などで使うワイヤレスネットワークの規格、5Gはスマホなどのモバイルネットワークの規格のことです。
Wi-Fiの種類はいくつもある
ここで、全体像をイメージするために、Wi-Fiの歴史を見ておきましょう。
Wi-Fiの規格の種類一覧
- IEEE 802.11 a(1999年)
- IEEE 802.11 b(1999年)
- IEEE 802.11 g(2003年)
- IEEE 802.11 n(2009年)【Wi-Fi4】
- IEEE 802.11 ac(2013年)【Wi-Fi5】
- IEEE 802.11 ax(2020年)【Wi-Fi6】
見ての通り、Wi-Fi6が最新の規格となっているため、これから発売されるスマホやパソコンも当然のようにWi-Fi6に対応してくるようになります。
ちなみに、Wi-Fi6はこれまでのWi-Fi規格と互換性があるため、スマホやパソコンがWi-Fi6に対応していなくても問題なく使えます。
尚、現在の主流となっている規格は、新しい方から3つ。
現在主流のWi-Fi規格
- IEEE 802.11 n(2009年)【Wi-Fi4】
- IEEE 802.11 ac(2013年)【Wi-Fi5】
- IEEE 802.11 ax(2020年)【Wi-Fi6】
ここまでで「Wi-Fi6が最新なのはわかったけど、いったい何が違うの?」と感じたはず。次は性能について見ていきましょう。
- Wi-Fi6とは、2020年にスタートした最新最速の無線通信規格
- IEEE 802.11 axの言い換えがWi-Fi6。つまり、同じ意味!
- Wi-Fi6は、過去の規格と互換性がある!
- 現在の主流は「IEEE 802.11 n/ac/ax」になってきている!
Wi-Fi6の通信速度

Wi-Fi6の通信速度はWi-Fi5の40%アップ
Wi-Fiはパソコンやスマホと共に進化してきました。
Wi-Fiは規格によって通信速度が違うので、一覧で見てみましょう。
Wi-Fiの通信規格 | 最大通信速度 (※理論値) |
周波数帯 |
IEEE 802.11a | 54Mbps | 5GHz |
IEEE 802.11b | 11Mbps | 2.4GHz |
IEEE 802.11g | 54Mbps | 2.4GHz |
IEEE 802.11n 【Wi-Fi4】 |
600Mbps | 2.4GHz 5GHz |
IEEE 802.11ac 【Wi-Fi5】 |
6.9Gbps (6,900Mbps) |
5GHz |
IEEE 802.11ax 【Wi-Fi6】 |
9.6Gbps (9,600Mbps) |
2.4Ghz 5GHz |
最大通信速度を見てもらえれば分かる通り、Wi-Fi6が最速となっています。Wi-Fi5から比較すると約40%の速度が向上しています。
これだけあれば、4K動画や8K動画のストリーミングも快適に見ることが出来ます。
「でも、今までの進化と比べたらWi-Fi5とWi-Fi6の違いがあまりないんじゃない?」と思った人もいるはず。
次に、Wi-Fi6のさらなる特徴をチェックしましょう。
Wi-Fi6は実用性を重視したWi-Fi規格
【Wi-Fi6】は、通信速度は最大9.6GbpsでWi-Fi5と比べて約40%速度アップ
これでも、すごく速くなったのですが、これまでは5〜10倍の性能アップだったので、少し見劣りするかもしれません。
これは、Wi-Fi6が理論上の最大速度よりも「パソコンやスマートフォンを使っていて実際に期待できる速度(実行スループット)」を大きく改善した規格だからです。
実は、Wi-Fi5とWi-Fi6は周波数帯(出す電波)で大きな違いがあります。
Wi-Fi5とWi-Fi6の周波数帯
- Wi-Fi5…5GHzのみ
- Wi-Fi6…5GHzと2.4GHz
これらの電波(周波数帯)には、それぞれの特徴があります。
電波(周波数帯)の特徴
- 【5GHz】
速度は速いが、障害物に弱い - 【2.4GHz】
速度は遅いが、障害物に強い
つまり、Wi-Fi5では、高速化を実現できたけれど、障害物を超えて長距離に電波を届けるのが苦手でした。一方で、Wi-Fi6では、速度も距離も犠牲にすることなく、安定したネットワークを実現することが可能になったということです。
最近では、Wi-Fi(無線LAN)機器が普及し、家の中で多くの電波が飛び交っています。
そうした中で大切なのが理論上の最大速度よりも「電波の干渉などを受けても通信速度が落ちない」という性能です。
Wi-Fi6では、通信環境が混み合う場所でも通信の安定性を高められる技術を採用しているので、今の私達の生活環境にあったWi-Fi技術と言えます。
- Wi-Fi6は、通信速度40%アップ!
- Wi-Fi6は、理論値だけでなく実行スループットにこだわった規格!
- 5GHzに加えて2.4GHz周波数帯に対応して障害物にも強くなった!
最後に、Wi-Fi6の通信速度以外のメリットを見てみましょう。
Wi-Fi6のメリット

同時接続に強くネットの混雑時も安定する!
Wi-Fi6は、多数の端末が快適につながるという点が大きなポイントとなります。
最近ではテレビなどWi-Fiに対応するデバイスが爆発的に増加し、Wi-Fi環境が混雑する状況になることが多いです。こうした、Wi-Fi環境の最適化がWi-Fi6で可能となりました。
そのために使われている技術は主に3つ。
Wi-Fi6で使われている新技術
- 通信環境の効率化を図るOFDMA
- 複数台利用の品質を向上するMU-MIMO
- 混み合った環境での品質を向上するSpatial Reuse
細かい用語説明は、知りたい人だけググって下さい。
これらの技術によって、Wi-Fiルータが同時に通信できる端末(スマホ等)が増えるため、通信速度の向上や安定性につながるわけですね。
ちなみに、Wi-Fi5までは最大4台、Wi-Fi6では最大8台の端末と同時接続できるようになっています。その差2倍は大きい変化です。
Wi-Fi6対応機器(スマホ等)のバッテリー消耗を軽減!
Wi-Fi 6では、Wi-Fi 6に対応した機器を使用することでスマホ等のバッテリー消費を軽減する機能が採用されています。
Wi-Fi6で使われている新技術
- 対応機器のバッテリー残量を軽減するTWT
これまでは、常にWi-Fi通信を行っていた機器に対して、使用していない(スリープ状態)の時は、端末ごとのWi-Fi通信を行わないようになります。
つまり、Wi-Fiに接続している端末のバッテリー消費を抑えることができるということです。
Wi-Fi6対応のルータを買うべき?
以上が、Wi-Fi6の特徴やメリットでした。
これからWi-Fiルータを買い換える人は、Wi-Fi6対応のルータへの更新を強くおすすめします。
最新のスマホやパソコンは、これからどんどんWi-Fi6に対応したモデルが発売されます。
Wi-Fi6に対応したデバイスの例
- M1チップ搭載のMacBook
- Microsoft Surfaceシリーズ
- iPhoneSE(第2世代)
- iPhone11シリーズ
- iPhone12シリーズ
- iPad Pro(第4世代)
- Galaxy20シリーズ(一部)
- など
もちろん、時間が経つにつれてさらに使える端末は増えていくでしょう。
そんな時に、Wi-Fi6に対応していないWi-Fiルータを買うなんてもったいないと思いませんか?
Wi-Fiルータは、自宅でインターネット環境を作る上で根幹となる部分
ここを疎かにすると、今後どれだけいいスマホやパソコンを買っても、自宅での無線通信速度の向上は見込まれません。
Wi-Fiルータは長期で使うデバイスなので、ちょっと思い切った投資も悪くないのではないでしょうか。